これまでにきど兄が出会った患者さんが、初めて長時間透析+自由食の治療を受けたときの率直な感想を教えて下さったのでシェアさせて頂きます。(あくまで個人の感想ですので、それを了承の上で参考にしていただければと思います。)
1)透析後のふらつきが全く無かったね。
2)足のつりがなかった。
3)透析中にシャント肢の肩が痛くなるけど、それは変わらなかった。
4)8時間は思ったほど長くなかったかな。
1)透析後のふらつきが全く無かったね。
これまで4時間の透析を受けていたころは、2L以上除水すると必ず透析後にふらつきを感じていたとのことでした。
しかし長時間透析を受けてみて、ふらつきが無く楽に帰れたとのことでした。
きど兄
体をめぐっている、血管内にある血液量は全部で4~5L程度(体重の8%程度)です。ここから毎回透析で2~3L(全血液量の半分近く!)を除水するので、とても大変な治療であることが理解できます。除水を進めると血管の外から血管内に体液が移動しますので、血管の中が空っぽになってしまうことはないのですが、血管外から血管内に体液が移動するには時間がかかります。
4時間の透析に比べ、8時間の透析では除水速度がゆっくりで済みますし、血管外から血管内へ体液が移動する時間も確保できるので、終了後のふらつきが少なかったのだと思います。
きどっぐ
その患者さんは、長い透析時間にお昼寝をしていたから、それで元気に帰って行ったんじゃないか?
きど兄
あははっ!それも理由の一つかもしれないですね。ちなみに、自宅に帰って夜寝られないと困りますが、大丈夫だったようですよ。
2)足のつりがなかった。
これまで頻繁に足がつっていたとのことでしたが、少なくても初回の長時間透析では足のつりは起こらなかったとのことです。
きど兄
足のつりは様々な誘因が考えられます。透析による除水、電解質や尿毒素の変動、体温の微妙な変化なども関係しているかもしれないですね。城西病院ではかもめクリニックの治療にならって、マイルドな長時間透析を行っています。除水速度も、血流量も低めの設定となっていますので、そのおかげで足のつりが生じなかったのではないかと思います。もちろん、1回の長時間透析では何も言えないですが、長時間透析では下肢つりが少ないというご意見は、他の患者さんからも伺ったことがあります。
きどみゃー
足がつるのはとっても辛いわよね。これからもつらないと良いにゃん。
3)透析中にシャント肢の肩が痛くなるけど、それは変わらなかった。
透析後半に肩の痛みが生じるようです。
ご本人はずっと四十肩だったから、とのことですが、シャントがある方の肩だけ透析後半に痛くなるとのことでしたので、透析に関連した痛みなのでしょう。
8時間の透析中、痛みのない時間がほとんどだったとのことですが、終わる直前に痛みが出てきたとのことです。ドライウエイトまで除水が進むことが誘因なのでしょうか。
透析でじっとしていることが誘因な可能性もありますね。8時間の透析中は昼食を摂ったり、座って過ごしたりして、同じ姿勢でいることが少いため、痛みが出始めるのが遅かったのかもしれないですね。
きど兄
正直申し上げて、透析後半の肩の痛みの原因はすぐにはわからないです。長時間透析がこの症状に対し、お役に立てるかも、複数回の治療を行いつつ診させて頂くべきだと考えています。
8時間は思ったほど長くなかったかな。
これ、多くの患者さんが気にされるところです。
4時間の透析でも大変なのに、8時間なんてとんでもない、というお言葉はたくさん伺いました。しかし、実際にやってみると、案外大丈夫だったと仰る方も多い印象です。
きど兄
長い透析時間を、苦痛に感じないようにすることはとても大切です。長時間透析はマイルドな透析ですので、体の負担が少ない事は大事な要素ですし、透析中に読書、テレビ、Wi-Fiを使用してインターネットを利用する、などして、出来る限り快適に過ごして頂くことも大切だと思っています。また、ベッドも少し固めのマットレスの方が、腰に楽かもしれないですね。また、患者さんに使用いただけるターンオーバーテーブルも、ベッドサイドに座ってパソコン作業などされる際には有用です。また、隣の患者さんとの間には仕切りを置くなどすると、簡単な自分空間として過ごして頂けるかと思います。もちろん、隣り合う患者さん同士が仲良くなったら、仕切りを取り外しておしゃべりして頂くのも良いかもしれませんね。
きど兄
その通りです。8時間も過ごす空間ですから、少しでも心地良くあってほしいものです。
きどっぐ
おいら、休日でものんびり過ごしてたら案外早く時間が過ぎちゃったって感じることはよくあるわん。
きど兄
私もそうです。心地よい空間で好きなことをして過ごせば、8時間の透析も受け入れて頂けると期待しています。
きど兄の「長時間透析+自由食」ブログでは、現役の腎臓内科専門医であるきど兄が、長時間透析について情報発信を続けていきます。
今後の記事も、どうぞお楽しみに!