自由食

透析中にお食事を摂って頂きます。

4時間の透析とは異なる長時間透析+自由食の治療。

今回はお食事についてお話をさせて頂きます。

1)お食事の風景

2)透析中に食べるメリット4選

3)透析中に食べるデメリット2選

1)お食事の風景

透析時間が長いですので、透析中にお食事を召し上がっていただきます。

寝たままでは食べにくいですので、写真のようにベッドサイドに座って頂き、テーブルに向かって召し上がって頂いております。

今回写真に写っているのは、病院から提供頂いた常食(透析患者さん用に制限されたものではない食事)です。

とは言え、自由食を掲げて治療を行っておりますので、近くのお弁当屋さんからの取り寄せもできるように準備してあります。また、ご自身で作ったお弁当を持ってきてくださっても良いですとお伝えしております。

きど兄
きど兄
ちなみに、長時間透析を受けて頂く前提でおやつ、フルーツもOKです!
きどっぐ
きどっぐ
というか、きど兄が食べちゃダメなものを説明しているところを見たことがないなぁ。

2)透析中に食べるメリット

1日3食をしっかり摂って頂けることは重要だと考えています。

4時間透析を朝から受ける場合、透析が終わるのは13時前後でしょうか。それから止血して着替えて、自宅に戻り、昼食の準備をすると、食べ始めるのは14時を過ぎてしまうのではないでしょうか。

となると、昼ご飯は軽く済ませて夕食に備えたり、いっそ昼夕でまとめて1食にしてしまう方もいらっしゃるかもしれないです。

8時間の透析中に食べて頂くと、しっかりとお昼の時間帯にお食事を召し上がっていただけるので栄養不足になりにくいと考えています。

②長い透析時間の気分転換になることも良いことだと思います。

③さらに、食事制限を指導しない医療者のいる空間で召し上がって頂くことで、本当に食事制限をしなくて良いと実感いただけることも重要です。そうすることで、ストレスが減りますし、栄養不足を回避して元気な体を作ることに前向きになれます。さらに医療者との関係も、「管理する側と、管理される側」ではなく、人と人の対等な関係に近づくと考えています。

この、医療者と患者さんの関係性が対等に近づくことは、とても大切なことで、きど兄が重視しているポイントです。

他にも、当たり前のことですが、必ず患者さんを「さん付け」で呼ぶことも大切にしています。

また、学校の先生だった患者さんがいれば、「〇〇先生」とお呼びするなど、社会的な立場を尊重することも大切にしています。

少し食事の話から脱線しましたが、気分良くクリニックに通って頂けるよう、考えております。

3)透析中に食べるデメリット

透析中に食べるデメリットは何でしょうか。

①食後は腸管に血液が集まるため、血圧が低下しやすい時間帯ができることは理解しておかなくてはなりません。もともと血圧が不安定な方は、食後は横になって頂くとか、除水速度を遅くするとか、血圧を上げる薬を午後に使うなどの方法を検討させて頂いております。

②むせて肺炎を起こす可能性もゼロではありません。横になったまま食べるのではなく、座って食べて頂くのは誤嚥(ごえん)予防でもあります。

他にも透析効率の低下や配膳に関わる医療スタッフの負担、衛星管理の問題などが言われていますが、透析効率は長時間の透析でカバーできるかと思いますし、医療スタッフにも協力頂き、何とか食事提供は続けたいと考えています。

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透析患者さんには摂取カロリー、蛋白量、水分量などがガイドラインで決められています。透析を安定させたり、少しでも予後を良くするため、多くの研究が行われ、そのようなガイドラインが作成されました。きど兄もガイドラインを把握しています。しかしこれらの研究は4時間前後の透析を念頭に行われたものがほとんどです。長時間透析を受けている患者さんにとって何が適切なのか、まだまだ知られていないのが実情ですが、4時間透析のときよりは食事制限が緩和できるのではないでしょうか。長時間透析+自由食の治療は決して成熟した治療方法ではないですが、患者さんにとってより良い生活を送っていただける可能性のある治療だと思いますので、希望される方には提供できるよう、引き続き尽力して参ります。

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