BMI

BMIシリーズ②:痩せている透析患者さんは、死亡リスク上昇!

さて、前回はBMI:Body mass index(ビーエムアイ)という指標についてお話をしました。

BMIは身長と体重から計算されます。
太った体型か痩せた体型かを考えるときに役立つ指標です。
BMIって何?よく知らない、という方は以前の記事を御覧ください。

BMIシリーズ①:あなたは太っている?痩せている?BMIを計算してみましょう。4時間の透析を受けている患者様は、食事制限が求められることが多いです。しかし、実際のところ、透析患者さんは太った方が良いの?痩(や)せた...

 

さて、今回の本題は、透析患者さんは太っている方が良いか、痩せている方が良いのか、ということです。

きどっぐ
きどっぐ
太っているのは健康に良くなさそうだわん。
きどみゃー
きどみゃー
痩せている方が服も選びやすそうね。太るのは嬉しくないわ。
きど兄
きど兄
2人とも、太ることについてはネガティブなイメージを持っているようですね。しかし、透析患者ではどうでしょうか。まずはこちらの図をご覧ください。

この図は、透析を受けていない「一般の方」と、「透析患者」さんで、BMIと死亡リスクの関係が異なることを示しています。
[Racial and survival paradoxes in chronic kidney disease, Nat Clin Pract Nephrol 2007 Vol. 3 Issue 9 Pages 493-506]という論文より引用

まずは透析を受けていない「一般の方」の場合を見てみましょう。
(クリックすると拡大されます)

薄いグレーの棒グラフに注目してください。BMI25前後(普通体型か、少しふっくら)のときが死亡リスクが最も低いことがわかります。そして、BMIが小さくても(痩せていても)、BMIが大きくても(太っていても)、死亡リスクは上昇することが示されています。BMIと死亡リスクの関係は赤線で示すように、アルファベットの「U(ユー)」の字のようになっています。

次に、濃いグレーの棒グラフに注目してみましょう。こちらは「透析患者」さんにおける、BMIと死亡リスクの関係を示しています。
(クリックすると拡大されます)

BMIが小さい(痩せている)と死亡リスクは上昇します。これは一般の方と同じです。しかしなんと、透析患者さんでは青線で示すように、BMIが大きい(太っている)ほど、死亡リスクは下がることが読み取れます。

つまり、BMI25よりも30、BMI30よりも35・・・と、太っているほど死亡リスクが低いということです。

きどみゃー
きどみゃー
え?!じゃあ、透析患者さんが長生きするためには、太っていれば太っているほど良いということなの?BMI35とか45とか、とってもとっても、すごい肥満だと思うけど・・・。
きどっぐ
きどっぐ
そんな話、聞いたことないわん。信じられないわん。きど兄、ついにやぶ医者になったのか?
きど兄
きど兄
あはは・・・やぶ医者はひどいなぁ。
これは事実として論文報告されている現象なのです。自分たちのイメージだけで考えるのではなく、これまでの研究成果を勉強する必要があるということですね。
きどっぐ
きどっぐ
この論文だけ、おかしなことを報告しているって可能性はないのか?
きど兄
きど兄
きどっぐ、素晴らしい質問です。
確かにAであるという報告をしている論文もあれば、Aではないと報告している論文もあり得ます。相反する報告がある場合は、どちらがより多く、信ぴょう性高く報告されているのかを考える必要があります。また、異なる報告に至った理由についても検討が必要になります。
きどみゃー
きどみゃー
逆に、透析患者さんは痩せた方が良いという報告もあるの?
きど兄
きど兄
いえ、透析患者さんのBMIと死亡リスクについては概ね、痩せているとまずい、太っている方が良いという方向で、多くの論文で意見が一致しています。

以下に示すよう、対象患者さんの数を1000人以上とした大規模な論文に限っても、同様の報告をしている論文は世界中から何十編も報告されています。
(クリックすると拡大されます)

きどみゃー
きどみゃー
えぇー、じゃあ、本当に透析患者さんは痩せてちゃいけなくて、太っている方が良いのね。
きど兄
きど兄
そう考えて問題ないと思います。

いかがでしたでしょうか。
今回は透析患者さんのBMIと死亡リスクの関係について、論文報告を引用してご説明しました。もちろん、ひたすら太り続けるのが良いことなのか?については十分に、慎重に考える必要があります。糖尿病がある患者さんはどうなの?歩けなくなって車いす生活になってまで太る方が良いの?たくさん食べてリンやカリウムが高くなってでも太った方が良いの?など、疑問はまだまだ湧いてきます。

しかし、透析患者さんが痩せていることはまずい!これは間違いないと、きど兄は考えています。痩せている透析患者さんは、栄養状態を改善させることが非常に重要だと思います。

きど兄がお勧めする「長時間透析と自由食」の治療は、しっかり食べて痩せを回避して頂き、その分、長時間の透析で除水やリン、カリウムの管理をサポートさせて頂く治療です。

今後も情報発信を続けていきたいと思っておりますので、応援して頂けると嬉しいです。下にコメント欄もあります。ご意見、感想、批判、なんでも結構ですので、コメントいただけたらお返事させて頂きます。

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